大人がピアノを始める目的が人それぞれである以上、先生側も、生徒の話をしっかりと聞いて、その人に合わせた指導方法でレッスンを行ってあげたほうが良いです。
下記に、それぞれの目的に合わせた指導パターンをご紹介します。
1. 趣味としてピアノを楽しむことが目的の生徒
趣味としてピアノを楽しみたいと思っている生徒に対しては、その生徒が好きな曲を取り上げるやり方が良いでしょう。
たとえば、好きな歌手の曲や有名な映画の主題歌を練習曲にすることで、練習への興味や、やる気を高めることができます。
また、短い期間で一つの曲を完成させるような練習を設定すると、生徒は達成感を感じやすくなります。
2. 新しいスキルを得ることが目的の生徒
このタイプの生徒に対しては、基礎から丁寧に教えることが重要です。
技術的な指導が求められる場面も多く、しっかりとした練習プランと目標設定が必要となるでしょう。
たとえば、短期間で基本的なコードをマスターする、あるいは一定レベルの楽曲を演奏できるようになる、といった具体的な目標を設定すると良いと思います。
また、進捗をしっかりと評価し、フィードバックを与えることで、生徒が自分自身の成長を感じられるようにすることも大切です。
3.ストレス解消が目的の生徒
このタイプの生徒には、演奏する曲が自分にとって、心地よいものであることが大切です。
たとえば、穏やかなクラシックや、自分が好きなジャンルの楽曲を中心に教えると良いでしょう。
また、練習時間にプレッシャーを感じないよう、楽しめる練習内容を考えることも大切です。
生徒が自分自身で音楽を楽しむ時間を持つことで、ストレスの軽減を実感し、持続的にピアノを続けられる可能性も高くなります。
4. 子供や孫に弾けるところを見せることが目的の生徒
このタイプの生徒に対しては、短い曲や有名な曲を中心に教えると、目標にたどり着きやすく、また家族と共有しやすいです。
たとえば、子供や孫が知っている楽曲、あるいは家庭で歌われている曲を選ぶと、生徒はより練習に意欲を感じるでしょう。
また、達成した段階で家族に演奏を披露する場を作ることで、生徒は練習に対する喜びや達成感をさらに感じることができます。
5. 音楽に対する情熱がある生徒
このタイプの生徒は、しばしば高い目標を持っており、それに向かって真剣に取り組む傾向があります。
だからこそ、先生としてはテクニックはもちろん、音楽理論や楽曲の背景についてもしっかりと教えるべきです。
たとえば、好きな作曲家や楽曲の歴史、楽譜の読み方など、音楽全般に対する理解を深める教材を取り入れることも有効です。
練習の進捗をしっかりと評価し、具体的な目標に向かって一緒に取り組むことで、生徒の音楽に対する情熱はさらに高まるでしょう。
6. 独学で限界を感じている生徒
先生としては、生徒がどのくらいのスキルを持っているのかを、しっかりと評価することが重要です。
その上で、生徒が独学で困っていた点や課題を解決するための練習方法を、指導すると良いでしょう。
たとえば、指の動きの改善や楽譜の解釈、リズムの取り方など、独学では難しい部分を重点的に教えることで、生徒の限界を突破させる手助けをすることができます。
7. 社会的な繋がりが欲しいと思っている生徒
このような生徒に対しては、グループレッスンやイベントの参加を推奨すると良いと思います。
たとえば、定期的な発表会や交流会を開催し、生徒同士がお互いに切磋琢磨できる環境を作ることが重要です。
また、地域の音楽イベントや演奏会に参加することで、音楽を通じた新しい友達や繋がりを作る機会を提供することも考えられます。
音楽を通じて人々との繋がりを持つことは、単に技術を向上させるだけでなく、人生そのものを豊かにする力があります。
生徒が求める社会的な繋がりをしっかりとサポートすることで、その人がピアノを続ける意欲も高まるでしょう。
8. 達成感を得ることが目的の生徒
このような生徒に対しては、短期的な目標と長期的な目標を明確にする指導が有効です。
たとえば、1ヵ月後にはこの曲を弾けるようになる、半年後には発表会で演奏するなど、目標を段階的に設定します。
そして、それぞれの目標に達した際には、しっかりとその成果を認め、賞賛することが大切です。
達成感を感じることで、生徒はさらに上のレベルへと挑戦する勇気と自信を得ます。
これは、自己肯定感を高め、生徒がピアノという楽器を継続する大きな理由となります。
9. ボケの防止のための生徒
特に、この目的を持つ生徒に対しては、単純な曲から始めるだけでなく、リズム感を鍛えたり、楽譜を読む練習も積極的に行うと良いでしょう。
たとえば、楽譜を読みながらリズムを叩く練習や、短いメロディーを覚えて即座に弾くといった練習が、脳の活性化に役立つとされています。
また、日々の練習の進捗を記録するノートをつけるなどして、自分自身の成長を実感できるようにすることも重要です。
これにより、継続的なモチベーションの維持と、ボケ防止への意識が高まります。