ピアノの構造、音の出るシステムなど、 ピアノという楽器の設計特長 を解説します。
■ 構造
支柱や側板といった土台の上に響板を貼ります。そして鉄のフレームをセットして、そこに弦を張ります。
演奏者の指の力は鍵盤を通じ、ハンマーによって弦を打つ力に変換されます。そして、弦の振動は、響板やピアノ全体に広がります。
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ピアノの部品は1万個近くもあり、1台の製造には組み立てだけでも約3ヶ月をかかります。
■ 素材
材料の主役は木材です。木材も部位により、それぞれの働きに適する木材が選ばれて作られます。
音に直接関係する響板には、音の伝達特性に優れるスプルースが、ピン板やアクションにはカエデやブナといった硬い木が、それぞれ使われています。
木やフェルトで作られる部品は、 温度や湿度の変化によって影響を受けやすい ため、正しく発音を保つためには、メンテナンスが必要不可欠になります。
■ ピアノを作るための製作時間
ピアノ1台を作るには、10年以上も乾燥させた木材を使うこともあります。
また、1台のピアノの部品は、グランドピアノでおよそ10,000個、アップライトピアノでおよそ8,000個もあります。
ですから、丸太からピアノが出来あがるまでには何年もかかっていることになります。
■ なぜ音が出るのか、どこから音が出るのか?
一般に弦の振動が響板に伝わり、それが空気を振動させるために、音が出ます。
ピアノ全体が音を出しているため、どこから音が出ているのかということは難しいですが、響板の面、アップライトピアノなら背面、グランドピアノなら底面から、より大きく音が出ているとも言うことが出来ます。
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